
首都直下地震・・・30年以内の発生確率は、なんと70%と予想されています。いつ起こるかわからない大規模災害。あなたはしっかり対策・準備ができているでしょうか?
後回しにされることも多い防災対策ですが、決して難しいものではなく、正しい知識と準備があれば災害時のリスクを大幅に軽減できる重要なものです。
本ページでは、 防災の基本的な考え方である「自助・共助・公助」と、今すぐできる具体的な対策について詳しくご紹介!あなた自身やあなたの大切なご家族を守るためにも、ぜひ最後まで読んで、できるものから実行していただきたいと思います。
防災対策で重要な「自助・共助・公助」の考え
防災対策の基本となる「自助・共助・公助」の3つの概念をご存知ですか?これらがバランス良く機能することで、災害による被害を最小限に抑えることができるはずです。
自助ってなに?
「自助(じじょ)」とは、自分自身や家族を守るための取り組みのこと。
災害発生時、公的機関の救助が到着するまでには時間がかかります。その間、まず自分たちで身を守り、安全を確保することが最も重要です。
共助ってなに?
「共助(きょうじょ)」は、地域住民同士が助け合うことを指します。
近隣住民、町内会、自治会、企業など、身近なコミュニティでの相互支援が、災害時の生存率を大きく向上させるのです。
公助ってなに?
「公助(こうじょ)」とは、国や自治体、消防、警察、自衛隊などの公的機関による支援のこと。しかし、大規模災害時には公助が十分に機能するまで時間を要するため、自助と共助が特に重要になります。
実際の災害対応では、自助が7割、共助が2割、公助が1割の割合で機能すると言われています。つまり、自分自身の備えと地域との連携が、生命を守る鍵となるのです。
【自助】自分(家庭)でできる防災対策
ここからは、自分・家庭でできる防災対策、「自助」についてご紹介します。
非常持出品・備蓄品の準備をする
災害時に持ち出す「非常持出品」の準備は、自助の基本中の基本です。避難時に慌てることなく必要なものをすぐに持ち出せるよう、日頃から準備しておきましょう。
非常持出品は、避難時に持参する「1次の備え」と、避難生活で必要な「2次の備え」に分けて考えます。

さまざまな災害を経験したこともあり、少しずつ防災対策の意識は高まっているよね!「非常持出袋」や「備蓄品」を準備している家庭はどんどん増えているみたい。すごく大切なことなんだ!
1次の備え(非常持出袋)
自宅や勤務先など、長い時間を過ごす場所には「非常持出袋」を備えておきましょう。
リュックサックなど両手が使える袋にまとめて入れておき、玄関や寝室などすぐに持ち出せる場所に保管します。重さは成人男性で15kg、女性は10kg程度が目安です。
- 飲料水(500mlペットボトル2〜3本)
- 非常食(アルファ化米、缶詰など3日分)
- 懐中電灯・ヘッドライト
- 携帯ラジオ
- 乾電池
- 救急用品(絆創膏、常備薬、持病薬など)
- 貴重品(現金、通帳、印鑑、保険証のコピーなど)
- 衣類・下着(季節に応じて)
- タオル・ティッシュ
- ビニール袋・ガムテープ
- 軍手・ロープ
- 携帯トイレ


現金は、公衆電話の使用も考慮して小銭も準備しておくといいぞ。小さいお子さんがいる家庭ならオムツや粉ミルクを追加したり、女性は生理用品を追加したり、自分や家族に合わせて準備してておくんだ。
2次の備え(備蓄品)
災害時、万が一ライフラインが途絶えたとしても、1週間程度、自給自足でしのぐことができるよう、自宅や職場に食糧・物品を前もって備えておきましょう。
- 飲料水(1人1日3リットル×家族分×7日分)
- 主食(米、パン、麺類など)
- 主菜(肉類、魚類の缶詰など)
- 副菜(野菜類の缶詰、乾物など)
- その他(調味料、菓子類など)
定期的に消費期限をチェックし、「ローリングストック法」で古いものから使い、新しいものを補充。

「ローリングストック法」とは、食料を定期的に食べ、食べた分を買い足しながら継続的に備蓄をする方法のことだよ!
家の中の安全対策をしておく
いくら非常持出品や備蓄品を準備していても、家の中でケガをしてしまっては意味がありません。家具の転倒防止や安全な空間の確保も、とても重要な自助対策です。

家具の固定
- タンス、本棚、冷蔵庫などの大型家具は、L字金具やつっぱり棒で壁や天井に固定
- テレビは転倒防止ベルトで固定
- 食器棚の中身が飛び出さないよう、扉にストッパーを設置
ガラスの飛散防止
- 窓ガラスに飛散防止フィルムを貼る
- 食器棚のガラス扉にも同様の対策
安全な避難経路の確保
- 寝室や居間から出口までの経路に倒れやすい家具を置かない
- 廊下や階段に物を置かず、常に通りやすくしておく
- 各部屋に懐中電灯やスリッパを常備
火災対策
- 住宅用火災警報器の設置・点検
- 消火器の設置
- ガスの元栓の位置確認
安全な家づくりは災害時だけでなく、日常生活の安全性向上にもつながります!

地震対策用の各種アイテムは、ホームセンターなどで販売されているよ。手軽な対策グッズなら100円均一ショップで見かけることも!インターネット通販なら選択肢もかなり多いから、欲しい商品がきっとすぐ手に入るはず。
万が一の連絡方法を確認する
災害時は通信手段が混乱します。
万が一のとき、大切な方と連絡が取れないことは想像以上に不安を膨らませるもの。家族や大切な方との連絡方法を事前に決めておくことで、安否確認がスムーズに行えます。

災害用伝言サービスの活用
- 災害用伝言ダイヤル「171」
- 災害用伝言板「web171」
- 携帯電話各社の災害用伝言板サービス
これらのサービスは毎月1日と15日、また防災週間などに体験利用できます。ぜひ家族全員で実際に使ってみて、操作方法に慣れておきましょう。
連絡先の共有
- 家族の携帯電話番号、勤務先・学校の連絡先
- 親戚や友人など、離れた場所にいる連絡先
- 集合場所(自宅、避難所、職場など)
これらの情報を記載した連絡カードを作成し、家族全員が常に携帯しましょう。
普段ならスマートフォンなどで事足りますが、スマホが使えない場合も想定して紙の連絡先リストも準備しておくことが大切です。
SNSの活用
意外かもしれませんが、災害時はSNSも重要な連絡手段となります。
普段からInstagram(インスタグラム)、X(旧Twitter)、LINE(ライン)、Facebook(フェイスブック)などで家族とつながっておき、災害時の安否確認方法についても話し合っておいてくださいね。

普段から大切な人とコミュニケーションをとって、災害時の避難方法や連絡手段について話しをしておくことも、大切な防災対策と言えるんだ。
避難場所の確認をする
災害の種類や規模、またその時の被害状況によって適切な避難場所は異なります。さまざまなケースを想定し、複数の避難場所を確認しておきましょう。

避難場所の種類
- 指定緊急避難場所:災害時に命を守るため緊急的に避難する場所
- 指定避難所:避難生活を送るための施設
- 福祉避難所:高齢者や障害者などが利用する避難所
確認すべき内容
- 自宅から避難場所までの経路(複数ルート)
- 徒歩での所要時間
- 経路上の危険箇所(ブロック塀、看板、崖など)
- 避難場所の設備(トイレ、給水設備など)
ハザードマップの活用
自治体が作成するハザードマップで、自宅周辺の災害リスクを確認しましょう。
洪水、土砂災害、地震などのリスクを把握することで、災害に応じた適切な避難行動が取れるように。実際に家族で避難場所まで歩いて、ルートや所要時間を確認することをお勧めします。夜間や悪天候時の避難も想定し、懐中電灯や雨具も準備しておきましょう。

ハザードマップは、災害が発生した時に危険と思われる箇所や災害時の避難場所などを地図にまとめたものだよ!
防災訓練(避難訓練)に参加する
知識だけでは、実際の災害時に適切な行動を取ることは困難です。定期的な防災訓練への参加で、災害時の行動を体で覚えることが重要です。
参加すべき訓練
- 地域の総合防災訓練
- 職場の避難訓練
- 学校の防災訓練
- マンションの防災訓練
家庭での訓練
地域の訓練だけでなく、家庭でも独自の訓練を実施しましょう。
- シェイクアウト訓練:地震発生時の基本行動(Drop・Cover・Hold On)
- 避難訓練:実際に避難場所まで移動
- 消火訓練:消火器の使い方
- 応急手当訓練:基本的な救急処置

「シェイクアウト訓練(一斉防災行動訓練)」というのは、突然の地震の揺れから身を守るための安全行動の訓練のこと。「Drop(まず姿勢を低く)」/「Cover (頭を守り)」 /「Hold on (動かない)」を身に着けるんだ!
訓練のポイント
- さまざまな時間帯や天候で実施
- 家族の誰かが不在の場合も想定
- 高齢者や小さな子どもがいる場合の対応
- ペットとの避難
訓練を通じて見つかった課題は、準備や計画の見直しに活かしましょう!
【共助】地域コミュニティで助け合う重要性
大規模災害時、公的機関の救助活動には限界があります。阪神・淡路大震災(1995年)では、救助された人の約8割が家族や近隣住民によって救われました。地域コミュニティでの助け合いが、多くの命を救うのです。

地域での共助体制づくり
- 自主防災組織への参加
- 町内会・自治会活動への参加
- 防災リーダーの育成
- 地域の防災マップ作成

普段から、地域の人たちと良い関係性を築く努力をしたり、地域の活動に積極的に参加しておくことは、いざというときにプラスに働いてくれるはずだ。
近隣住民との関係づくり
- 日常的な挨拶や声かけ
- 地域イベントへの参加
- 高齢者や障害者など要支援者の把握
- 各家庭の家族構成や緊急連絡先の共有
地域の防災資源の把握
- 消火器、AEDの設置場所
- 工具や資材を持つ住民の把握
- 医療関係者、建築関係者など専門知識を持つ住民の把握
- 地域の危険箇所と安全な場所の共有
情報伝達体制の確立
災害時の正確な情報共有は、適切な行動判断に不可欠です。
- 連絡網の整備
- 情報収集・伝達役の決定
- デマや流言に惑わされない情報リテラシーの向上
地域コミュニティの結束が強いほど、災害時の生存率は高くなります。日頃から地域とのつながりを大切にしましょう。
【公助】行政や公的機関との連携
公助は自助・共助を補完する重要な役割を担います。公的支援を効果的に受けるため、行政サービスや支援制度について理解しておきましょう。

行政の災害対応体制
- 災害対策本部の設置
- 避難情報の発令
- 救助・救急活動
- 避難所の開設・運営
- 避難情報の発令
- ライフラインの復旧
災害時の情報収集
正確な情報収集は適切な判断につながります。
- 自治体の防災メール・アプリの登録
- 防災行政無線の内容確認
- テレビ・ラジオの災害情報
- SNSでの公式アカウントフォロー
- 避難情報の発令
- ライフラインの復旧
支援制度の理解
災害後の生活再建にはさまざまな公的支援があります。
- 被災者生活再建支援制度
- 災害救助法による支援
- 災害弔慰金・災害障害見舞金
- 税の減免制度
- 住宅の応急修理制度
平時から行政と連携しておく
公助を効果的に活用するためにも、制度を知り、日頃から行政との関係を築いておくことが重要です。
- 地域防災計画の内容確認
- 防災講習会への参加
- 行政主催の防災訓練への参加
- 災害時要援護者登録制度への登録(該当者)

平時から混んでいる医療機関で、災害時に診療を受けることはとっても難しく、また救急車の数には限りがあって(東京都内でも約270台)、災害時に全ての要請に対応することはできないんだ。だからこそ「自助」「共助」はとても重要なんだよ!

事前の備え(防災対策)に関してより詳しく知りたい方向けに、日本赤十字社では「赤十字防災セミナー」を実施しているぞ。講義だけでなく実技もあり、またエリアごとのハザードマップ・特性に合わせた内容も含まれ、地域に密着した形で学ぶことができる。コミュニティの中でいろいろな人と顔を合わせる機会創出にもはるはずだ。
まとめ
防災対策の基本である「自助・共助・公助」は、それぞれが独立して機能するものではありません。三者が連携して初めて、災害に強い社会が実現します。
まだ防災対策をとっていない場合は、以下の対策から実行してみてくださいね!
【今すぐできる防災対策】
- 非常持出品の準備:家族構成に応じた防災グッズの準備と定期的な点検
- 家の安全対策:家具の固定、ガラスの飛散防止、避難経路の確保
- 連絡方法の確認:災害用伝言サービスの使い方習得と連絡先リストの作成
- 避難場所の確認:複数の避難場所とルートの確認、実際の歩行体験
- 防災訓練への参加:地域や職場の訓練参加と家庭での独自訓練実施
- 地域との連携:近隣住民との関係づくりと自主防災組織への参加
残念ながら災害はいつ起こるか分かりません。
しかし、適切な準備と知識があれば、被害を最小限に抑えることができます。だからこそ「災害への備えは日常から」を合言葉に、今日から防災対策を始めましょう!
首都直下地震の発生確率70%という現実を前に、私たち一人ひとりが防災意識を高め、家族や地域を守る準備を整えることはとても重要。あなたの「防災力」が、いざという時の生命線となるのです。

以下は日本赤十字社東京都支部が制作した、「防災力」が分かるストーリー選択動画だよ。「防災力」を試しながら、僕と一緒に同時に防災についての知識を深め、防災意識を高めよう!
10
避難所における
「要配慮者」の対応
避難所には高齢者、視覚や聴覚、肢体が不自由な方、外国人などサポートが必要な方も。自分の身の周りにいる要配慮者を把握し、サポート方法を知っておくことはとても大切です。
09
「こころのケア」
被災者に接するポイント
災害に見舞われた被災者は大きなストレスを受けます。特別なことをする必要はありません。「何かしてあげたい」「声を掛けようかな」と思ったら、躊躇せず行動してみてください。
08
恐ろしい
「エコノミークラス症候群」
避難生活は「エコノミークラス症候群」の危険性が高まる状況にあります。過去の災害でも多発したエコノミークラス症候群。正しい方法で防げるということを覚えておきましょう。
07
自分たちは
自分たちで守る(共助)
ご近所とお付き合い、していますか?日常生活が奪われる大規模災害の現場では、ご近所との支え合いがとても重要。普段からコミュニケーションを取っておくことが大切なのです。
06
自分の命は
自分で守る(自助)
災害時、被害を最小限に抑えるために重要となる「自助」。いつ起こるか分からない災害に備え、自分でできることがあります。後悔しないためにも万全の準備をしておきましょう。
05
応急手当のキホン
「直接圧迫止血法」
災害時は、すぐに医師に診てもらえないという状況が当たり前に発生します。だからこそ、一人一人が応急手当の方法を知っておくことがとても重要。被害の抑制につながるはずです。
04
知っておきたい「正常性&
同調性バイアス」
「正常性バイアス」「同調性バイアス」を知っていますか?平時は心を守る二つのこころの働きですが、避難を遅らせてしまうことも。あらかじめ知っておくことが逃げ遅れを防ぎます。
03
災害時の「安否確認」や
「情報収集」
災害時、親しい人の安否が確認できないことは精神的負担に。安否確認手段の用意が重要です。安否確認手段を持つ人とそうでない人では明暗を分けることとなるでしょう。
02
大地震発生…むやみに
移動を開始しないで!
もし外出中に大地震が発生したら…むやみに移動を開始するのは危険。自分を危険にさらすだけでなく、“救えるはずの命が救えない”という事態を招いてしまうかもしれません。
01
「首都直下地震」の
被害想定について
今後30年以内に70%の確率で発生するとされる「首都直下地震」。その被害想定を考えると、防災知識を高め、正しく備えることが差し迫った課題であると認識できるはずです。