Met My Dad
大好きなパパには会えましたが…。
安全な場所にとどまっているのがベストだと判断し、最初にたどり着いた避難所で待つことを決めたジャック。
もちろん、パパのいる避難所に行こうか何度も悩みましたが、行き違いなどのリスクも考えてじっと待ち続けました。
独りになると「パパはもしかして…」と、最悪のことが頭をよぎります。それでも何とか自分を奮い立たせ、避難所にいるみんなと助け合って長い時間を過ごしました。
「ジャック!ジャック!」
!!!!!
遠くから、聞き覚えのある声が。
声のもとへ全力で駆けて行くと、そこには大好きなパパの姿がありました。ジャックを探しにきてくれたのです。
パパの胸に飛び込むジャック。
しっかりとジャックを抱きしめて撫でてくれるパパ。
こんなにも長い時間、パパと離れ離れでいたのは初めてです。ひとしきり再会の喜びを噛みしめると、パパは今の状況を説明してくれました。
実は、まだ家族と会えていないと…。
被災してから、たくさんのことを学んだジャック。
応急手当の方法や、被災者のこころのケア、要配慮者への対応…
被災直後の泣き虫で無力なジャックはもういません。
「パパ、一緒にみんなを探しに行こう!」
大きな声を張り上げて、ジャックはパパと出発しました。
これまで体験したことのない大地震に遭遇したジャック。
わずかな時間で変わってしまった世界。突然、大切な人を失った孤独感、損壊した建物を目の前にした絶望感、どうしていいか分からない無力感。
長くて大きな余震が何度も何度も続く災害直後の世界で、ジャックは恐怖と不安で押し潰されそうでした。もう諦めてしまうおうかと思ったことも、たくさんありました。
「最初からもっと災害に関する知識と防災意識を持っていれば、もっと早くパパに会えていたはず」
たくましくなったジャックは、振り返って思いました。
そして、この大地震の恐怖は絶対に忘れず、災害から学んだことをこれからの生活に必ず活かしていきたいと誓いました。
─END─
※ 避難の際は、ペットと一緒に避難する「同行避難」が原則です。