Congratulation !
無事、家族に会えました!感動の再会です!
大地震が発生してから3日が経過しました。
人命救助のデッドラインである72時間はもう過ぎた。大好きなパパにどうしても会いたい。大切な家族の体温を感じたい。
はやる気持ちを抑えることができないジャックでしたが、携帯ラジオから得た災害情報や、警察・消防の人からの情報、さらに最近避難所にやってきた被災者の人の話を聞き、慎重にひとつの決断を下しました。
「僕は今から、パパのいる避難所に行く!!」
まだ道路のほとんどは交通規制が敷かれていると聞きました。通行止めになっている場所もあるそうです。ひび割れた道路や倒れた電柱、損壊した建物も少なくないと聞きました。
ジャックは自分と同じように、新宿区の避難所に行きたいという仲間数人と一緒に出発しました。確かに、もう数日前の街のカタチはありません。
避難所を出発したときの元気が、少しだけしぼんだようにジャックは感じました。足取りも、少しだけ重くなったような気がします。
それでもジャックが前に進んだのは、大切な人に会いたいから。一緒に歩く仲間だっています。
歩きながら仲間といろいろな話をしました。みんなで話していたからか、避難所までの移動はあっという間。
そしてジャックは、パパがいるはずの避難所の前に立ったのです。
避難所に入ると、また少しずつ元気が出てきました。足取りも軽くなりました。
「みんな!!僕、元気だったよ!!」
「ジャック!!」みんなが名前を呼び、痛いくらいに抱きしめました。これまで当たり前だと思っていたことが、決して当たり前ではないことに気づいたジャック。家族の体温が心から嬉しかった…
たった3日でしたが、ものすごく長い時間でした。もう一生会えないかもしれない、とも思いました。
感動の再会を遂げたあと、パパは言います。「家に帰ろう。片付けで忙しくなるぞ!」
これまで体験したことのない大地震に遭遇したジャック。
変わり果てた街。感じたことのない孤独と絶望。余震が起きるたびに、また独りになってしまうのではないかと怯えました。
「たくさんの経験をして、今の僕は防災知識を得たけれど…災害が起きてからじゃ遅い。遅すぎるんだ」
何から手をつけていいか分からず、なんとなく後回しにしていた防災対策。ジャックは今でも強く後悔しています。
この大地震の恐怖は絶対に忘れません。災害から学んだことをこれからの生活に必ず活かしていきたいと誓いました。
─END─
※ 避難の際は、ペットと一緒に避難する「同行避難」が原則です。