試されるのは、
君の“防災力”だ!
はじめまして!「10の選択」の主人公、ジャックだよ。何気ない日常に起きた、まさかの大震災。気がつくと、僕は大好きなパパを見失って、ひとりぼっちになってしまったんだ…このストーリー選択動画「10の選択」では、動画を視聴しながら僕に代わって各設問で2択のうちひとつを選んでいくよ!試されるのは君の“防災力”。新しい仲間との出会いや発見を通して、防災対策に関する正しい知識を身につけてほしいな。
災害によるストレス反応と
「こころのケア」を考える

普段の挨拶が、災害時の支え合いに
大地震のあとの避難生活で一番こころに残ったのは、人と人とのつながりだった。
いろいろなものが不足し、不慣れな生活を送る中、お互いに分け合ったり、高齢者や子どものいる家庭を優先したり。普段は挨拶程度だった近所の人たちが、自然と協力し合っていることに僕は気づいたんだ。
一人では乗り越えられなかったことも、みんなで力を合わせれば何とかなる!それを心底、実感した。
災害時に頼りになるのは、「遠くの親戚よりも近くの他人」なのかもしれない。日頃からの地域のつながりが、いかに大切かを思い知らされたよ。この体験を、僕は絶対に忘れてはいけないと、強くこころに刻んだんだ。

災害がこころに与える影響
私たちの生活基盤だけでなく、こころにも大きな影響を与える災害。地震、台風、豪雨などの自然災害を経験すると、誰もが心理的なストレスを感じます。ここでは、災害がこころに与える影響について理解を深めましょう。
災害時に起こる心理的反応とは?
災害に遭遇したことで、心身に現れるさまざまな反応。これらは「ストレス反応」と呼ばれ、危険から身を守るための本能的な防衛反応だと言われています。特に災害直後は被災による直接的なショック・喪失体験と、慣れない避難生活による不自由さなど二次的なストレスも受け、ストレス過多に。
災害直後には、強い恐怖や不安を感じたり、現実感がなくなったりすることがあり、加えて動悸、発汗、手の震えなど体の症状や、眠れない・食欲がないといった状態が続くことも珍しくありません。こうした反応は、災害という強いストレスに対する自然な反応。多くの場合は、時間とともに落ち着いていきます。
「異常な状況への正常な反応」と捉える
心身に不調を感じていることに対して「自分はおかしくなってしまったのではないか」と不安に襲われる方も少なくありません。しかし、災害後のストレス反応は「異常な状況に対する正常な反応」。災害という非日常的で過酷な体験をすれば、誰でもこころが揺れ動きます。不安や恐怖を感じること、眠れなくなること、涙が止まらなくなることは、決して弱さや脆さの表れではありません。むしろ、こころが災害体験を処理しようとしている証拠と言えます。この「異常な状況への正常な反応」という視点を持つことで、自分自身を責めたり、周囲を追い詰めたりすることを防ぐことができるはずです。

時間経過によるこころの変化
災害後の心理状態は、時間の経過とともに変化していきます。一般的に、以下のような段階をたどることが知られています。
【急性期(発災直後〜数日)】
ショック状態や茫然自失、強い恐怖や不安を感じる時期です。現実感がなくなったり、集中力が低下したり、記憶力が低下したりすることもあります。一方で、緊張状態が続くことから、過敏になる、イライラする、落ち着きがなくなることも。心拍数増加、血圧上昇、めまい、発汗などが生じる場合もあります。
【反応期(1〜6週間)】
災害の現実を受け止め始め、悲しみ、抑うつ感、罪悪感、喪失感などさまざまな感情が湧き上がる時期です。不眠や食欲不振、身体の不調が続くほか、災害の光景がフラッシュバックしたり、悪夢を見たりすることもあります。
【修復期(1ヶ月〜半年)】
少しずつ日常を取り戻し始める時期。反応期と同様の症状はあっても、徐々に反応は軽減していきます。生活の再建に向けて動き出す一方で、疲労が蓄積したり、将来への不安を感じたりすることもあります。
【復興期(半年以降)】
新たな日常に適応していく時期。多くの方は徐々に回復していきますが、一部の方は中長期的なこころのケアが必要になることもあります。

特に影響を受けやすい方は?
災害は誰にとっても大きなストレスですが、特にこころへの影響を受けやすい方々がいます。
小さな子どもは、災害の意味を十分に理解できなかったり、自分の気持ちをうまく言葉にできなかったりするため、特にこころのケアが重要です。赤ちゃん返り、夜泣き、おねしょの再発など、行動面に変化が現れることがあります。
高齢者は、環境の変化への適応が難しかったり、持病の悪化への不安を抱えたりすることがあります。また、長年住み慣れた家や地域を失った喪失感は特に大きくなります。
他にも、被災前から心身の健康に課題を抱えていた方は、災害によって症状がさらに悪化することがあるので注意が必要。また、災害によって大切な人を亡くした方、自宅を失った方、避難生活が長期化している方も、特に丁寧なこころのケアが必要です。
災害後のこころの症状チェックリスト
災害を経験したあと、自分のこころや体にどのような変化が起きているか、気づきにくいこともあります。以下のような点にチェックしてみてください。
こころの変化
□ 不安・恐怖が続いている
□ 気分が落ち込む
□ やる気が起きない
□ イライラする・怒りっぽくなった
□ 災害の場面が繰り返し頭に浮かぶ
□ 悪夢を見る・夢にうなされる
□ 感情が麻痺したように感じる
□ 自分を責める・罪悪感がある
□ 将来への希望が持てない
体の変化
□ 眠れない、または眠りすぎる
□ 食欲がない、または食べすぎる
□ 頭痛・めまい・吐き気がある
□ 動悸がする・息苦しさを感じる
□ 体がだるい・疲れが取れない
□ 肩こり・腰痛などの痛みがある
行動の変化
□ 災害に関する話題を避けてしまう
□ 人と会うのが億劫になった
□ アルコール・煙草の量が増えた
□ 外出するのが怖くなった
□ 物音や揺れに敏感になった
□ 集中力が続かずミスが増えた
大災害は、被災した人にとても大きなストレスを与える出来事。災害が原因でストレス反応が出るというのは、決して異常なことではなく、ごく当たり前の防御本能なんだね。
そういうことだ。だから自分自身を追い詰めたり、弱い人間だと責めたりする必要はない。ストレス反応が出るのが当たり前と理解することが、レジリエンス(回復力・再起力)を高めることに役立つとも言われているぞ。
被災した人だけでなく、救助活動に携わる人や医療従事者、ボランティアに参加した人も二次的なストレスを受けやすいんだって。支援者が抱えがちな「支援疲れ」の存在も知っておこう。
自分でできる「こころのケア」10の方法
災害後、こころを少しずつ回復させるためには、日々の小さなセルフケアも大切です。特別なことをする必要はありません。できることから、少しずつ取り入れてみましょう。
1.安全な環境を確保する
こころのケアの第一歩は、「今は安全だ」と感じられる環境づくり。避難所でも自宅でも、できるだけ自分が落ち着ける場所・時間を確保しましょう。お気に入りの写真や小物、本など、安心できるものをそばに置くのもおすすめです。
2.基本的な生活リズムを整える
食事、睡眠、休息など、生活のリズムを大切にしましょう。十分に眠れなくても、決まった時間に横になるだけで体は休まります。食欲がなくても、少量ずつ口にすることが体力維持につながります。体力低下は、こころにも影響が出てしまうもの。体力維持を心掛けてみてください。
3.体を動かす
軽い運動やストレッチは、こころの緊張をほぐす効果があります。散歩や深呼吸、簡単な体操・ストレッチなど、無理のない範囲で体を動かしてみましょう。体がほぐれることで、不安感が軽くなることも少なくありません。

4.呼吸法を試してみる
不安や緊張を感じたときは、ゆっくりとした呼吸が効果的です。4秒かけて鼻から吸い、4秒止めて、8秒かけて口からゆっくり吐く「4・4・8呼吸法」もおすすめ。意識して実践してみてください。
5.気持ちを言葉にする
辛い気持ちを、溜め込まずに外に出すことも大切。信頼できる人に話す、日記に書く、声に出してみるなど、どんな方法でも構いません。気持ちを言葉にするだけで、こころの整理につながります。
6.正しい情報を得る・適度に情報から離れる
災害時、正確な情報を得ることはとても大切ですが、ニュースやSNSを見続けることで不安が増すこともあります。情報収集の時間を決めて、それ以外の時間は意識して災害関連の情報から離れましょう。
7.「いつもの習慣」を取り戻す
散歩をする、お茶を飲む、音楽を聴く、本を読むなど、災害前にしていた小さな習慣を少しずつ取り戻しましょう。日常の習慣は、こころに安心感を与えてくれます。
8.人とのつながりを保つ
孤立はこころの回復を遅らせてしまいます。家族や友人、近所の人と話をしたり、一緒に過ごす時間をつくりましょう。直接会えなくても、電話やメッセージでつながることができます。
9.自分を責めない
「もっとこうすれば良かった」「自分だけ助かって申し訳ない」と感じることがあるかもしれません。しかし、災害時にすべてを完璧に対処できる人はいません。自分を責めず、「今できること」に目を向けましょう。
10.回復には時間がかかることを受け入れる
こころの回復には時間がかかるので、「早く元に戻らなければ」「このままではダメだ」と焦る必要はありません。調子の良い日も悪い日もありながら、少しずつ回復していくものですから、自分のペースを大切にしましょう。

家族・周囲の人へのこころのケア
災害後は、自分自身のケアだけでなく、家族や周囲の人のこころにも気を配ることが大切になります。お互いに支え合うことで、回復への力が生まれるはずです。
寄り添い、話を聴く
こころが傷ついている人に必要なのは、アドバイスよりも「話を聴いてもらえた」という安心感です。相手の話を遮ったり否定したりせず、ただ寄り添って聴きましょう。「辛かったね」「話してくれてありがとう」といった言葉が、相手のこころを支えることも。無理に話を聞き出そうとする必要はありません。そばにいるだけでも大きな支えになります。
避けたい声掛け
励ましているつもりでも、かえって相手を傷つけてしまう言葉があります。以下のような言葉が、相手の気持ちを否定したり、プレッシャーを与えたりする場合も。良かれと思って言った言葉でも、相手を追い詰めてしまうことがあるので注意が必要です。
- 「頑張って」
- 「しっかりして」
- 「あなたより大変な人もいる」
- 「いつまでも落ち込んでいないで」
- 「気持ちはわかるよ」
- 「もっと前向きになろう」
子どものこころのケア
子どもは、自分の気持ちをうまく言葉にすることが難しく、その結果、赤ちゃん返り、夜泣き、おねしょ、落ち着きがなくなるなど、行動面に変化が現れることがあります。そんなときは叱らずに受け止め、スキンシップを増やし、「大丈夫だよ」「守るからね」と安心感を伝えてあげましょう。いつもと同じ生活リズムを保つことも、子どものこころの安定につながります。
高齢者へのこころのケア
高齢者は、環境の変化に適応しづらかったり、不調を我慢してしまったりする傾向があります。また、住み慣れた家や地域を失った喪失感は、若い世代以上に大きいものです。こまめに声をかけ、体調の変化に気を配りましょう。昔の話や思い出話に耳を傾けることも、こころの支えになります。
支援する側のセルフケアも忘れずに
家族や周囲の人をケアしていると、自分自身の疲労やストレスを見落としがちです。支える側が倒れてしまっては、元も子もありません。自分の体調やこころの状態にもしっかりと注意を払い、休息を取ることを忘れないでください。「自分のケアも大切な支援のひとつ」と考えましょう。

「元気出して」「大丈夫?」というような声掛けは、時に相手の感情に蓋をしてしまったり、葛藤を生じさせたりすることもある。どうしてあげたら良いか迷ったときには、ただそばにいるだけ、「そうだったんだ」と話しを聴くだけでも良いんだぞ。
被災者に同情しすぎるのも注意が必要。相手の感情に飲み込まれ、支援者が心理的に消耗してしまうこともあるんだ。無理に同情したり励まそうとせず、安心安全な場所づくり(衣食住の確保)を優先してみてね。
日本赤十字社の発信も参考に!
日本赤十字社では、自助や防災対策に関連するニュースをホームページやSNSなどで発信しています。また防災セミナーや講習会なども実施。日本赤十字社の活動も、防災対策として活用してください。
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災害時に利用できる相談窓口
ひとりで抱え込まず、専門家の力を借りることも大切なこころのケアです。「こんなことで相談していいのかな…」などと躊躇わず、辛いときは遠慮なく相談してください。

事前の備え(防災対策)に関してより詳しく知りたい方向けに、日本赤十字社では「赤十字防災セミナー」を実施しているぞ。講義だけでなく実技もあり、またエリアごとのハザードマップ・特性に合わせた内容も含まれ、地域に密着した形で学ぶことができる。コミュニティの中でいろいろな人と顔を合わせる機会創出にもなるはずだ。
Take the Quiz
クイズに答えて
“防災力”アップ!
災害や防災に関するクイズです。クイズに答えて君の“防災力”をどんどん高めよう!
あります。
テレビやSNSで災害の映像を繰り返し見ることで、不安や恐怖、気分の落ち込みなどを感じることがあります。これは「共感疲労」や「代理トラウマ」と呼ばれる自然な反応。特に、過去に災害を経験した方や、被災地に知人がいる方は影響を受けやすい傾向があると言われています。辛いと感じたら、災害報道を見る時間を制限しましょう。
数ヶ月~1年以上経過して、症状が出ることもあります。
災害直後は緊張状態や生活再建への対応に追われ、こころの不調に気づかないことがあります。その後、数ヶ月、あるいは1年以上経ってから症状が現れるケースも珍しくありません。また、災害の報道や、地震・台風など似た状況をきっかけに、過去の体験がよみがえり、症状が出ることもあります。時間が経ってからでも辛さを感じたら遠慮せず相談してください。
過酷なストレスを体験した後、心身にさまざまな症状が出ることです。
PTSDとは「心的外傷後ストレス障害」のことで、災害や事故など強いストレスを受けた後に発症することがある精神的な疾患です。つらい記憶が繰り返しよみがえる(フラッシュバック)、悪夢、災害を思い出す場所や話題を避ける、感情の麻痺、不眠、過緊張などがあります。ただし、災害を経験した人が全員PTSDになるわけではありません。多くの方は時間とともに自然に回復します。ただし、症状が1ヶ月以上続き、日常生活に支障が出ている場合は、早めに専門家に相談しましょう。
地震、津波、台風、豪雨、土砂災害などによる直接的な被害だけでなく、被災した方の心身にも影響を及ぼしてしまうのが災害の恐ろしさだ。いつ起こるかわからない災害に遭遇する可能性はゼロにできないが、災害時に起こるストレス反応やこころのケアについて知っておくことは非常に重要なんだぞ。
そうだね。災害時に遭遇したとき、ストレス反応が出るのは当たり前だと知っていれば、自分を責めてしまったり、辛い人を追い詰めてしまったりしなくて済むかもしれないね。
「相談するのはまだ早いかも」「大したことないかも」などと思わず、辛いと感じた時点で専門機関に相談して大丈夫。家族や友人の不調も「家族(友人)の対応について相談したい」といった形で、相談窓口を利用することもできるんだ。
君も「10の選択」にチャレンジしよう!どちらを選択をするか?迷うこともあると思うけど、大地震が発生したときには決断を強いられる場面もたくさんあるはず。だからこそ勇気を出して決断するんだ!

10
避難所における
「要配慮者」の対応
避難所には高齢者、視覚や聴覚、肢体が不自由な方、外国人などサポートが必要な方も。自分の身の周りにいる要配慮者を把握し、サポート方法を知っておくことはとても大切です。
09
「こころのケア」
被災者に接するポイント
災害に見舞われた被災者は大きなストレスを受けます。特別なことをする必要はありません。「何かしてあげたい」「声を掛けようかな」と思ったら、躊躇せず行動してみてください。
08
恐ろしい
「エコノミークラス症候群」
避難生活は「エコノミークラス症候群」の危険性が高まる状況にあります。過去の災害でも多発したエコノミークラス症候群。正しい方法で防げるということを覚えておきましょう。
07
自分たちは
自分たちで守る(共助)
ご近所とお付き合い、していますか?日常生活が奪われる大規模災害の現場では、ご近所との支え合いがとても重要。普段からコミュニケーションを取っておくことが大切なのです。
06
自分の命は
自分で守る(自助)
災害時、被害を最小限に抑えるために重要となる「自助」。いつ起こるか分からない災害に備え、自分でできることがあります。後悔しないためにも万全の準備をしておきましょう。
05
応急手当のキホン
「直接圧迫止血法」
災害時は、すぐに医師に診てもらえないという状況が当たり前に発生します。だからこそ、一人一人が応急手当の方法を知っておくことがとても重要。被害の抑制につながるはずです。
04
知っておきたい「正常性&
同調性バイアス」
「正常性バイアス」「同調性バイアス」を知っていますか?平時は心を守る二つのこころの働きですが、避難を遅らせてしまうことも。あらかじめ知っておくことが逃げ遅れを防ぎます。
03
災害時の「安否確認」や
「情報収集」
災害時、親しい人の安否が確認できないことは精神的負担に。安否確認手段の用意が重要です。安否確認手段を持つ人とそうでない人では明暗を分けることとなるでしょう。
02
大地震発生…むやみに
移動を開始しないで!
もし外出中に大地震が発生したら…むやみに移動を開始するのは危険。自分を危険にさらすだけでなく、“救えるはずの命が救えない”という事態を招いてしまうかもしれません。
01
「首都直下地震」の
被害想定について
今後30年以内に70%の確率で発生するとされる「首都直下地震」。その被害想定を考えると、防災知識を高め、正しく備えることが差し迫った課題であると認識できるはずです。











