試されるのは、
君の“防災力”だ!
はじめまして!「10の選択」の主人公、ジャックだよ。何気ない日常に起きた、まさかの大震災。気がつくと、僕は大好きなパパを見失って、ひとりぼっちになってしまったんだ…このストーリー選択動画「10の選択」では、動画を視聴しながら僕に代わって各設問で2択のうちひとつを選んでいくよ!試されるのは君の“防災力”。新しい仲間との出会いや発見を通して、防災対策に関する正しい知識を身につけてほしいな。
避難を妨げる
「正常性&同調性バイアス」

突然の地震…自分にできることはなんだろう
大きな地震の揺れで、僕はしばらく呆然と立ち尽くしてしまった。
だけど、それは僕だけじゃなかった。同じように、どうしていいか分からずに立ち尽くす人、パニックになってその場に座り込む人、大きな声を出している人もいる。中には泣いている人も。
よく見ると、怪我をしている人もいた。電柱にぶつかっている車もあった。遠くには救急車や消防車のサイレンが聞こえる。ヘリコプターの音もしている。まさに今、大きな地震が起こったんだな…僕は大地震に遭ったんだな…。地震発生から数分が経過して、僕はようやく現実をちゃんと理解した。
現実を理解した僕だったけれど、何をすれば良いのか?一番最初にするべきことは何なのか?正直それがわからなかった。気がつくと、大きな声でここから一番近い避難場所を案内している人がいた。小さな子どもや年配の方を優先的に誘導している人がいた。知識があれば自分がやるべきことがすぐに判断できるんだなぁと、僕は自分が少し恥ずかしくなった。
「正常性バイアス」と
「同調性バイアス」について
皆さんは「正常性バイアス」「同調性バイアス」という言葉を聞いたことがありますか?日常生活でも生じることがあり、ビジネスシーンでも使用されることのある「正常性バイアス」「同調性バイアス」。実はこの2つ、災害時に働いてしまうと初期避難の妨げになり、いのちとりになることもあるのです。危険な「正常性バイアス」「同調性バイアス」について、このあと詳しく解説していきます。知っておけば、災害時のあなたの行動は変わるはず!正しい知識を身につけることも、災害への備えです!
危険な災害心理 1
「正常性バイアス」
「正常性バイアス(normalcy bias)」とは、どんな人にも存在するとされる認知バイアスのひとつで、「自分は大丈夫」「まさか大災害が起こるわけない」「大したことはないだろう」と、自分の身に起きていることが正常範囲内だと考えてしまう心の働きです。
なぜ起きる?正常性バイアス
正常性バイアスは、大きなストレスを受けるような事態に陥った際、自分自身の心を守り、心のバランスを保つのに役立ちます。異常事態をそのまま受け止め続ければ、人間は疲弊してしまい心身に悪影響が出てしまうため、それを回避するための心理的防御反応として誰にも備わっているのです。
災害発生!正常性バイアスの危険
生活を送るうえで、心のバランスを保つために必要な正常性バイアスですが、災害時は初期避難を遅らせ、場合によってはいのちを危険にさらす可能性もあるのです。小さな揺れが発生したとき「これくらいの揺れは大丈夫」「すぐに揺れは収まるだろう」と瞬時に思ってしまった…あなたはそんな経験ないでしょうか?正常性バイアスがはたらき、正常な判断や身を守る行動ができず、避難が遅れてしまうケースは少なくないのです。
【正常性バイアスの例】
緊急地震速報が鳴っても「大したことないだろう」と思う 火災報知器が作動しても「誰かのいたずらだろう」と思う 大雨で河川氾濫の警報が出ても「前回も大丈夫だったから」と思う
正常性バイアスが強い人の特徴
正常性バイアスが強く働きやすい傾向にある方の特徴は、「状況を客観視することが苦手な人」「自己主張が強い人」「楽観的な人」「決められたルールを守らず独自の基準を持っている人」などと言われています。しかしながら、この正常性バイアスは多かれ少なかれ、誰しも持っている心理ですから完全にゼロにすることは難しいと思います。だからこそ、『災害時は正常性バイアスが働くことがある』ということを知ったうえで、冷静に行動することが重要と言えるでしょう。
あなたならどうした?正常性バイアスの具体例
【事例 1】
2011年3月に発生した東日本大震災は、大きな揺れによる被害だけでなく、津波による被害も大きかった災害でした。各自治体では、津波到着1時間前の避難警報を発表していたにも関わらず、多くの人が即座に避難をすることなく、結果的に大津波が目前に迫ってからの被害となり、たくさんの方がいのちを落としました。これも、正常性バイアスが働いた事例だと言われています。
【事例 2】
2018年6月に発生した西日本豪雨。台風の影響を受け、西日本では豪雨が続きました。気象庁は台風発生前より特別警報を出していましたが、河川近隣の住民は、堤防決壊・河川氾濫まで被害を予想できずに避難が遅れてしまいました。


「大したことない」「きっと大丈夫」って、僕も無意識に思ってしまったことがあるよ。今思えば危険な心理だったんだね…。

正常性バイアスは、誰しもが持っている心理なんだ。だから、つい大丈夫と思ってしまうことは、仕方のないことだとも言える。だがな、それがいのちとりになるかも知れん。災害時に正常性バイアスが働く、ってことを知識として知っていれば、行動だってきっと変わってくるはずだ。
危険な災害心理 2
「同調性バイアス」
「同調性バイアス(Conformity Bias/Bandwagon Effect)」とは、集団の中にいるときに起こりやすい心理。「周りと同じ行動をとっていれば大丈夫」「みんなが逃げていないから自分も避難しない」と、周囲の行動に合わせてしまいます。日本人は特に同調性バイアスの働きが強いとされ、この心理も初期避難を遅らせる原因になると言われています。
なぜ起きる?同調性バイアス
正常性バイアス同様、同調性バイアス自体は悪いものではありません。他の人の意見や行動に合わせることで孤立するのを防ぎ、「自分は間違えていない」という精神的な安心感を得ることができます。協調性を大切にする私たち日本人の生活において、同調性バイアスが役立つ場面も多いのです。
災害発生!同調性バイアスの危険
ビジネスなどチームワークが大事な場面で大切な同調性バイアスですが、災害時は被害拡大に繋がってしまうケースがあるので注意が必要です。「誰も避難していない」「みんな慌てていない」だから自分も逃げない…そうやって周りに合わせて逃げない選択をする人が、日本人には圧倒的に多いとされています。そんな同調整バイアスが、避難の遅れや被害拡大に繋がってしまうこともあるのです。
【同調性バイアスの例】
地震で揺れてもみんなが逃げないから、自分も逃げない 非常ベルが鳴っていても周りが避難しないからその場に留まる 警報が出ていても周りが「大丈夫」と言うから避難しない
同調性バイアスが強い人の特徴
「他者の意見に左右されやすい人」「協調性が強い人」「仲間外れが怖い人」「自分の意見を言うのが苦手な人」などが、同調性バイアスが働きやすい方の特徴だと言われています。チームで力を合わせて成果を挙げていくような場面では大切になってくる同調性バイアスですが、災害時は避難を妨げることも。心当たりのある方は、この同調性バイアスのリスクについて理解し、災害時は頭を切り替えることが重要です。
あなたならどうした?同調性バイアスの具体例
【事例 1】
東日本大震災では、多くの方が逃げ遅れ、津波に巻き込まれていのちを落としました。大地震から数年後に行われた被災者へのインタビューでは、地震発生後に迫りくる津波を目撃した男性が、慌てて内陸部に逃げ「津波が来る!今すぐ逃げろ!」と地域住民に呼び掛けたにも関わらず、住民たちは取り合ってくれず、中には「うるさい」と言い返した人もいたという。この事例も、同調性バイアスが働いていたと考えられます。
【事例 2】
2014年4月、韓国で起きたセウォル号沈没事故。大型客船セウォル号には、修学旅行生300人以上が乗船していました。船が大きく傾き沈没していく中、船内で撮影された動画には、友だち同士で談笑する救命胴衣を身につけた高校生の映像が残っていたのです。ゆっくりと沈む船体。大変なことが起きているにもかかわらず、大したことないだろうという正常性バイアスと、周りの友だちも慌てていないからという同調性バイアスが働き、結果的に大勢がいのちを落とすという結末を迎えてしまいました。
※参考:「日本赤十字社」※参考:「株式会社日本防災デザイン」
【日本赤十字社】不安が見えなくなるメガネ(YouTube)

いつどこで起こるかわからない地震だからこそ、事前に正しい知識を身につけて、しっかりと備えておくことが大事!地震が発生してから「もっと準備していれば良かった…」と後悔しても遅いんだ。自分だけでなく、大切な人のためにも準備をしておこう!
災害時のリスク
「災害心理」の対策とは!?
それ単体で考えると決してわるいものではない正常性バイアスと同調性バイアス。しかしここまで読んでくださった方なら、この2つの心理が災害時に働くと避難の妨げになる可能性があり、最悪の場合、いのちの危険に繋がることが理解できたと思います。ここからは、これらの災害心理の対処法について詳しくご紹介していきます。
【災害心理に負けないために…】
無意識のバイアスがあることを知る 普段から災害に備え訓練する 災害時は率先して避難を呼びかける
無意識のバイアスがあることを知る
まず、正常性バイアスや同調性バイアスといった災害心理について知っておくことが大切です。バイアスに支配されないためには、人間は無意識のうちに働くバイアス(偏見)があると認識し、それらのバイアスが災害時の避難の妨げになるということを理解しておくのです。「自分は大丈夫」「大したことは起こらない」「周りが避難していないから問題ない」という思考も疑わなければならないと知ることからはじめましょう。
普段から災害に備え訓練する
人間にもともと備わっているバイアスですから、完全に消し去ることは無理でしょう。しかし普段から意識して訓練することで、正常性バイアスや同調性バイアスにとらわれない思考回路に変えていくことはできます。日々起こるさまざまな事象に「これは本当に正しいのか?」「周囲の意見は間違っていないか?」を冷静にジャッジする習慣をつけることで、万が一のときにも落ち着いて正しい判断ができる可能性が高まります。
災害時は率先して避難を呼びかける
もっとも大切なのが、災害が発生したら率先して避難を呼びかけること。たとえ周囲の人たちが「大したことない」「すぐに収まる」と言っていたとしても、結果的に大地震などの被害に遭う可能性があります。だからこそ、まずは率先して避難を呼びかける。避難を促す人がいれば、周囲の人にもその緊張感や事の重大性が伝わってスムーズな避難活動に繋がります。
あらかじめ近隣の避難場所や危険な場所を確認しておく、避難道具を準備しておくなどの備えも重要になってくるはずです。日頃より防災意識を持ち、防災リテラシーを高めておくことも、危険な災害心理にとらわれないためのポイントと言えるでしょう。
正常性バイアスに打ち勝った「釜石の奇跡」とは?
2011年3月に発生した東日本大震災。地震発生直後、釜石東中学校(岩手県釜石市)の生徒たちは、すぐさま校舎を飛び出して高台に避難しました。釜石東中学校の近隣小学校の生徒・教師は、最初校舎の3階に避難しようとしていましたが、避難する中学生の姿を見て、自分たちも高台に避難することにしたのです。目指す高台に到着したあとも、崖の状態などからさらに上の高台へ避難。ちょうど高台へ避難したとき、さっきまでそこにいた校舎、そして生活していた街は、巨大な津波に飲み込まれていました。
「指定された避難場所が安全である」という先入観にとらわれることなく、冷静に状況を判断した、まさに正常性バイアスに打ち勝った事例として、今でもこの英断は記録に残されています。

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事前の備え(防災対策)に関してより詳しく知りたい方向けに、日本赤十字社では「赤十字防災セミナー」を実施しているぞ。講義だけでなく実技もあり、またエリアごとのハザードマップ・特性に合わせた内容も含まれ、地域に密着した形で学ぶことができる。コミュニティの中でいろいろな人と顔を合わせる機会創出にもなるはずだ。
Take the Quiz
クイズに答えて
“防災力”アップ!
災害や防災に関するクイズです。クイズに答えて君の“防災力”をどんどん高めよう!
正しくは…「すぐに安全な場所に避難する」。
学校や会社、外出先で「非常ベルが鳴り響いた」という経験をしたことがある人は少なくないと思います。そのときあなたは…
「きっと点検だろう(正常性バイアス)」
「誰かがいたずらでボタンを押した?(正常性バイアス)」
「誰も避難していないから大丈夫(同調性バイアス)」
などの考えから、その場に留まりませんでしたか?もちろん結果的に機器の故障だったりいたずらだったりするケースもあるでしょう。しかし、もし本当に大火災を知らせる非常ベルだったら!?災害は予想できません。だからこそ、すぐに避難するのが鉄則です。
「今すぐ」が基本です
「まだ揺れているから様子を見よう」「みんな慌てていないから大丈夫」「この程度なら問題ない」これらはすべて正常性バイアスや同調性バイアスによる思考です。繰り返しになりますが、大災害はいつどこで起きるか予想できません。だからこそ、「速やかに避難する」を基本に行動しましょう。
※ただし大きく揺れている場合は「まずは身を守る」ことを優先。津波や河川氾濫の危険がないのであれば、大きな揺れが収まるまで行動するのは控え、揺れが収まってから避難を開始します。
あなたが率先して避難することが重要です
「津波が来るから今すぐ逃げよう!」「〇〇(避難所)にすぐ避難しよう!」などと大声で呼びかけ、まず自分が避難行動を開始します。具体的な避難場所を示し(「あの公園に逃げよう!」など)、「みんなで一緒に逃げよう」と巻き込むことがポイントです。一人が率先して行動することで、周囲の人々も事態の深刻さを理解し、避難につながります。

「場の空気を読む」ことを大切にする文化があり、「みんなと同じ行動」を取ることが安全だと感じる社会的背景を持っている日本人は、特に同調性バイアスが強いと言われているんだ。

確かに、何か起きたときに周りの人がどうしてるか?気にしちゃうときは多いよね。だけどどの同調性バイアスや、楽観的に考える正常性バイアスが避難の妨げになる可能性があるんだ。過去にもこの災害心理によって被害拡大した事例も複数あるから気を付けたいね。

まずは正常性バイアスや同調性バイアスの存在を知り、災害時にそれらの心理が働くことを理解しておくんだ。それだけでも行動は変わってくるはず。万が一のとき「自分が率先して避難する」「避難を呼びかける」と覚えておけば、迷わず行動できるぞ。

君も「10の選択」にチャレンジしよう!どちらを選択をするか?迷うこともあると思うけど、大地震が発生したときには決断を強いられる場面もたくさんあるはず。だからこそ勇気を出して決断するんだ!

10
避難所における
「要配慮者」の対応
避難所には高齢者、視覚や聴覚、肢体が不自由な方、外国人などサポートが必要な方も。自分の身の周りにいる要配慮者を把握し、サポート方法を知っておくことはとても大切です。
09
「こころのケア」
被災者に接するポイント
災害に見舞われた被災者は大きなストレスを受けます。特別なことをする必要はありません。「何かしてあげたい」「声を掛けようかな」と思ったら、躊躇せず行動してみてください。
08
恐ろしい
「エコノミークラス症候群」
避難生活は「エコノミークラス症候群」の危険性が高まる状況にあります。過去の災害でも多発したエコノミークラス症候群。正しい方法で防げるということを覚えておきましょう。
07
自分たちは
自分たちで守る(共助)
ご近所とお付き合い、していますか?日常生活が奪われる大規模災害の現場では、ご近所との支え合いがとても重要。普段からコミュニケーションを取っておくことが大切なのです。
06
自分の命は
自分で守る(自助)
災害時、被害を最小限に抑えるために重要となる「自助」。いつ起こるか分からない災害に備え、自分でできることがあります。後悔しないためにも万全の準備をしておきましょう。
05
応急手当のキホン
「直接圧迫止血法」
災害時は、すぐに医師に診てもらえないという状況が当たり前に発生します。だからこそ、一人一人が応急手当の方法を知っておくことがとても重要。被害の抑制につながるはずです。
04
知っておきたい「正常性&
同調性バイアス」
「正常性バイアス」「同調性バイアス」を知っていますか?平時は心を守る二つのこころの働きですが、避難を遅らせてしまうことも。あらかじめ知っておくことが逃げ遅れを防ぎます。
03
災害時の「安否確認」や
「情報収集」
災害時、親しい人の安否が確認できないことは精神的負担に。安否確認手段の用意が重要です。安否確認手段を持つ人とそうでない人では明暗を分けることとなるでしょう。
02
大地震発生…むやみに
移動を開始しないで!
もし外出中に大地震が発生したら…むやみに移動を開始するのは危険。自分を危険にさらすだけでなく、“救えるはずの命が救えない”という事態を招いてしまうかもしれません。
01
「首都直下地震」の
被害想定について
今後30年以内に70%の確率で発生するとされる「首都直下地震」。その被害想定を考えると、防災知識を高め、正しく備えることが差し迫った課題であると認識できるはずです。